3分と56秒の逢瀬

先週は七夕でしたね。
いわずと知れた織姫と彦星が一年に一回だけ会える日。

今年の七夕は、堺市の夜は久方ぶりに雲も少なく星が見えました。
ベガ(織姫)とアルタイル(彦星)は幸せそうに瞬いていましたよ。

まあ堺市の夜空は明るく天の川は全く見えないので、
二人は年がら年中いつでも会い放題なんですけど。

この七夕の物語は古代中国が発祥だそうです。
織姫と彦星、この二人はたまに間違えられるのですがカップルではなく、
れっきとした夫婦です。

天の神様が娘の織姫と牛飼いの彦星と結婚させたところ、
仲が良すぎて仕事をしなくなったので、
怒った父のお仕置きとして天の川で分けられてしまいました。

でもあまり織姫が悲しむので父は一年に一度だけ会うことを許しました。
これが七夕のお話ですね。

仕事をしなくなるほど夢中になっている相手と、
一年に一回しか会えないからかわいそうとは思いますが、、
一年を一日として換算すると、会える時間は毎日3分56秒です。
「毎日3分と56秒間だけ会ってる」と考えると、割といけそうな気がしません?

これが学生のカップルだとして、
「毎日昼休みにこっそり音楽室で3分と56秒間だけ会ってる」
なんて言っちゃうと、ずっと一緒にいるよりもトキめいたりしませんか。

あーちょっとうらやましいかも。。。

▶ 参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/七夕

哺乳類で唯一!ヒトの持つ特殊な走力とは?

ヒトは走るのが遅い動物です。
小さなイヌやネコに追いつけないことからも分かります。

ところが他の動物にはない『走力』があります。それは何でしょうか。

ヒトが道具を使い始めたころ、ヒトは狩りを始めます。
ですが、その頃の道具は石や棍棒のような原始的なものでした。
そんなものでヒトは動物をしとめられるのでしょうか。

実はそれが可能になる狩猟方法があります。
それはただひたすらに追い続ける、という狩猟方法です。

まずヒトが大きな動物を狙って追い始めます。
もちろん、動物の方が速いので逃げられてしまいます。
逃げたあと動物は日陰で浅く速く呼吸することで体温を下げようとしますが、
ヒトは足あとをたどってただひたすら追いかけて、
動物の体温が下がりきる前にまた走って逃げださせます。
これを繰り返すことで動物の体温はどんどん上がっていき、
いずれ熱中症で倒れてしまうのです。あとは石や棍棒で十分ですね。

このような狩りができる理由は、もちろんヒトの体にあります。

動物は呼吸で体温を下げますが、ヒトは動物のように毛がなく、
全身から汗をかくことで体温を効率よく下げられます。

腰から足につながる筋肉と腱は、
バネのようにエネルギーの蓄積と放出ができるように発達しており、
非常にコストの低い(カロリーをあまり使わない)走行が可能です。

他にも首を支える靭帯、三半規管、
お尻の大きな筋肉は走行時のバランスを保つために発達しています。

つまり「ヒトは持久走が得意」なのです。

ヒトは「暑いなかマラソンができる唯一の哺乳類」なのです。

僕は持久走が苦手なんですけど、これを知って、
(せっかく進化させてきたヒトの能力を退化させてるみたい……)
とご先祖様に悪いなと思ったので、すこしトレーニングしてみようかな?

▶ 参考:D・E・リーバーマン(著) 塩原通緒(訳)「人体600万年史(上)」(早川書房)

花粉症の治しかた?

こんにちは、宮本です。

父のある友人で花粉症だった人がいるのですが、
その人は花粉症を自己流で克服したそうです。

父が教えてもらったというその方法は、

「花粉に負けたらあかん
 飛んでる花粉をパクッと食べて
 ガリガリッと噛み砕いて
 ゴクッと飲み込んでしまうんや
 ほなもう何ともない」

それを聞いて二人で「んなアホな話があるかーい!」
なんて笑ってたんですけど、、、

実はアレルギー治療法の一つ減感作療法の中に、
『舌下免疫療法』という治療法があると知ってびっくり。

<舌下免疫療法>
 舌の下の粘膜からアレルギーの抗原を吸収させ
 症状の改善を図るアレルギー治療法

こ、これじゃないの?!

空気中の花粉程度じゃ抗原の量が足らないんじゃない?(;¬_¬)
とも思うのですが、積極的に口の中に抗原を入れるという点においては、
ガリガリ療法も減感作療法と言えます。いや言えないかも。

そのお友達の表現が面白くて、今でもちょっと笑ってしまうのですが、
これからは物事をもっとよく調べてからリアクションしたいと思います。反省。

▶ 参考:東北大、アレルギーの根本的な治療法「舌下免疫療法」のメカニズムを解明
http://news.mynavi.jp/news/2016/05/13/073/

高いところから落ちたネコはどうなる?

こんにちは、宮本です。

僕はマンションに住んでいて、ネコを飼っています。
たまにそのネコがベランダに逃げ出して、うっかり落ちやしないかとハラハラします。

2階や3階くらいならまだしも、うちは10階以上の高さなので、
さすがのネコでも落ちたらぜったい死ぬだろう、気を付けないと……
と思っていたのですが、実はそうとも限らないようです。

建物の2~32階から落ちたネコがどうなったか、
という2人の獣医師によって書かれた論文『ネコの高所落下症候群』によると、
致死率は案外低く、90%のネコが生き延びているようです。

それも、ネコがけがをしたり死んだりするのは7階前後から落ちたときが最も多く、
それより高い階では減っているのです。

そこでは
「7階前後では加速度がつくため、ネコの体がこわばって、対応ができない。
 それ以上の高さでは加速度がつかないため、ネコの体がリラックスして、
 着地に備えることができるから、高所のほうが致死率が下がる」
と説明されています。

ネコくらいの大きさと体重では、どんなに高いところから落ちても空気抵抗に押し返されるため、
速度が約100キロにしかなりません(これを終端速度といいます)。

加速度のつかない100キロ程度だと、うまく着地できると死なないんですね。ネコすごい。

……ただこれは獣医師の論文なので、“病院に運ばれたネコ限定”の統計かもしれません。

つまり現実には着地失敗して“病院に運ばれなかった≒死んじゃったネコ”はもっといるのでは?
とも思うのですが、生き延びるネコも結構いるという話でした。ネコすごい。

▶ 参考:ニュー・サイエンティスト(編)「実証 超科学講座」(二見書房)

ヒトは昔、○○を食べていた?

こんにちは、宮本です。
前回の記事が長すぎるとご意見番からの注意がありましたので、今回からは少しおさえめにします。。。

―――

低炭水化物/高たんぱく質ダイエットが流行し、その是非が論じられていますが、
ヒトはもともと何を食べていたのでしょうか?

今よりはるか昔の類人猿の時代、
木から下りたサルが主食として食べていたものは何だと思いますか?

草原には、樹上に豊富にあった木の芽・実や小動物はありません。
ウマのように地面の草を食むことは消化器官が適応していません。
肉食もライバルが多く、うっかりすると自分が食べられてしまうので、とても危険です。

ヒトは何を食べていたか。諸説ありますが、そのなかでも有力な説は、
“死んだ獣の骨”を主食にしていたというものです。

ヒトは厚いエナメル質に覆われた非常に固い歯と、
上下前後左右と自由に動くアゴを持つため、
骨をすりおろすようにかみつぶすことができます。

手指は骨を食べやすいサイズに砕くための道具(石など)を使うのに適した形をしています。

また骨食には競合がいないので十分な量を安全に確保でき、
栄養もたんぱく質・脂質・ミネラルなどがとてもとても豊富に含まれていて、
ヒトの大きな体を形成維持することができます。

もちろん骨だけでなく、副菜として易消化性の植物(木の芽・実や根菜等)を
一緒に摂取してきたことも確からしいのですが、
ヒトの体を考えると骨主食説が最も自然な結論だと考えられています。

さらに、片手に道具(石)・片手に食料(骨)を持って安全な場所に移動する生活から、
ヒトの二足歩行が始まったのではないかという説もあります。

人は昔、骨を食べていた――だから、豚骨や鶏ガラのスープをおいしく感じるのかもしれませんね。

▶ 参考:島泰三「親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る」(中公新書)

スタッフブログ始めます

こんにちは、さくら製本の宮本と申します。
皆様にはいつもお世話になっており、心より御礼申し上げます。

このたびスタッフブログを始めることになりました。

当社スタッフによる仕事の内容や、日々心がけていること、
いろんな雑談、当社からのお知らせなどを掲載していく予定です。

さて当社は大阪の南部、泉州堺にあります。
この堺には日本一大きなお墓、大仙陵古墳があります。

巨大な鍵穴のような形で有名なこのお墓は、面積で言うと世界一大きなお墓です。
現在、堺市観光局が『百舌鳥・古市古墳群』として世界文化遺産の登録に向けて活動中です。

ですが、一地元民の僕としては、どうも盛り上がりきれない心持ちがあります。
なぜかと僕が考えるに、大仙陵古墳が「見えない」からだと思うんです。

日本の他の世界文化遺産は法隆寺だったり姫路城だったり京都の文化財だったり、
それら全てが一目見るだけで伝わる美しさ・時代・趣があります。

ですがこの大仙陵古墳、あまりに広いため、
地上からみても前方後円な形が全く分かりません。
堺市役所の展望ロビーから見ても微妙な町中にこんもり小山があるだけに見えます。
近くに行っても濠の向こうにうっそうとした森があるなーくらいの見た目で、
どこから見ても「いよっ日本一!」みたいな雰囲気があまり感じられないんです。

直接この目で全景を見てみたいな、と思っても、現在は空からしか見られません。
堺市は隣接地に「百舌鳥古墳群ガイダンス施設(仮称)」を建設予定なのですが、
風致地区制限があり建物の高さを15メートル未満にしかできず、
墳丘の稜線を見るのがせいぜいだそうです。

でも15メートル登って稜線だけってのもつまらないですよね。
やっぱり世界一広いというお墓を一望したいと思いますよね。

そうすることで写真では分からない実物の凄みを感じることができ、
世界遺産登録に向けて皆が盛り上がっていけると思うんです。

では一体どのくらいの高さがあれば全景が見られるのでしょうか。

やっぱり鍵穴の下の方から見てみたいですよね。
ちょうどそこには大仙公園という広い公園があり、
鍵穴の真下にあたる場所に堺市博物館があります。
仮にそこに展望台を立てるとして、どのくらいの高さになるのでしょうか。

堺市公式サイト&Wikipediaの情報と、GoogleMAPと、
某所でこっそり入手した仁徳さん後円部の等高線図を合わせて、計算してみました。

nintokusan
クリックで拡大します

前方後円墳全景を一望するのに必要な高さは、ざっと70メートルです。

この70メートルという数字に誰もがピンとくると思うんですが、
これは稀代の芸術家・岡本太郎氏の有名な『太陽の塔』の高さなんですね。

これはもう、太陽の塔をここに移してくるより他ないと思います。
するとただ巨大な墳墓だけでなく、ロマンを含ませることができます。

だって巨大な謎の鍵穴と、前を守るあの太陽の塔。
どう考えても秘密組織の地下施設があります。根も葉もないんですけど。

風致地区制限なんて特例で取っ払って、太陽の塔は今こそ堺にくるべきです!
そして仁徳さん・太陽の塔コラボで堺を、大阪を盛り上げていきましょう!

と言うようなわけで、こんな感じで自由に掲載していきたいと思います。社長に怒られるまで。

今後ともよろしくお願い申し上げます。