肥満はうつる!?

肥満の原因には生活習慣、遺伝、病気などいろいろなものがありますが、
そのなかにひとつ、とても興味深いものがあります。

32年にわたる長期疫学研究で分かったことなのですが、
「肥満がうつる」かもしれない、ということです。

ある人が太ると、その友人が太る可能性は57%高くなり、
兄弟間では1人が太ると別の兄弟も太る可能性は40%高くなり、
配偶者間では37%高くなるとのことです。

皆様のなかには太っている人を見たら
「こんなふうになりたくないな……」と思って
食べる量を控えるんじゃないか?と思うかもしれませんが、
実際は、食べているときに横に大食漢がいたりすると、
私たちは無意識に、より多くのカロリーをとるようになるようです。

こうした研究は発展途上なので言い切ることはできませんが、
目から得る情報が心理学的な効果をもたらすことは確かなようなので、
将来、心理学的なアプローチで逆に食欲を減らして、
もっと簡単に減量できるようになるかもしれませんね。

……とここまで書いてきましたが、、
実は肥満に対する僕の考えは逆で、いわゆる普通体型より、
どっしりと腹に重心がある姿のほうが格好良いと僕は感じます。
和服もよく似合いますし。

もちろん肥満が原因の病気になるのはいいことではないし、
「健康のために痩せましょう」と言うのも悪いとは思いませんが、
昔は肥えている人を「恰幅が良い」と言って褒めたのです。

健康のためにその体型はダメですよ!と言うより、
もっとこう「褒める」文化も大切にしたほうがいいと思いませんか?

▶ 参考:櫻井武「食欲の科学」(講談社ブルーバックス)