潜り、浮かぶための工夫

海に遊びに行きました。
人が少ない&魚がたくさんいる浜だったのでヤス漁で楽しんでいたのですが、
その時に困ったのは海に潜っているときです。

ヤスで突けるような大きさの魚はあまり水面近くには上がって来ないため、
3〜5メートルくらいの海底付近まで潜って、探して構えて突かないといけません。

長時間潜るためには息を吸ってから潜らないといけませんが、
肺いっぱいに空気を吸い込むとそれが浮きになって体が浮かび上がってしまいます。
もちろん潜る方を優先して吸い込む空気を減らすと潜水時間は短くなります。
この体力と潜水時間のバランスがとても難しいのです。

ところで海洋動物のなかでもオットセイやペンギンは肺呼吸のため、
ヒトと同じく息を止めて海中に潜ります。
彼らは息は吸ってから潜るのでしょうか、それとも吐いてから潜るのでしょうか?

答えはオットセイは吐いてから潜り、ペンギンは吸ってから潜ります。

そのため、オットセイは潜るときが早く「落ちるように」潜ることができます。
逆にペンギンは浮かぶときが早く「飛ぶように」水面に戻ることができます。
進化の結果は異なりますが、それぞれにうまく体力を温存していますね。

僕は肺いっぱいに空気を吸い込んで止め、
一生懸命潜って海底の石を持ったり岩なんかにつかまったりして、
そのままだと苦しいので少しずつ空気を吐き出しながら獲物を探し、
すっかり吐ききるころに水面目指して泳ぎだす……ということをしていました。

あれ、、、これってもしかして一番疲れる方法じゃない?

▶ 参考:佐藤克文「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ ハイテク海洋動物学への招待」(光文社新書)